入居時に賃料免除が受けられるフリーレント特約
入居した時から一定期間、賃料の免除が受けられるフリーレント特約というものがあります。
賃貸マンションに入居する側から見ると、借りていた賃貸マンションの家賃の重複払いが最小限もしくはゼロに抑えられて、移転費用の節約につながるので、重宝されている賃貸契約の特約といえます。
しかし、その一方で大家さんの側から見ると、本来家賃収入として入ってくるはずの賃料を免除してしまうという特約ですから、すぐに退去されてしまった場合はただの損失としかならないというリスクを負います。
そもそもこういったフリーレント特約というものは、オーナー側の空室解消のために取られる手段でありますが、損失の回避のための防止策として契約事項に予め中途解約した場合の違約金等の取り決めを行なっています。
契約金の途中で解約すると、免除期間の賃料相当の違約金が発生するというもので、入居者が期間内の解約が難しくなるので、初期費用の節約だけに目がくらんで、安易に契約を交わしてしまうということも考えものです。
実際のフリーレント特約の件ではどういう契約内容になっているのでしょう。
例を見てみましょう。
・賃貸借要項:賃貸借期間平成25年7月1日より平成27年6月30日まで、・第5条(賃料および共益費)1、賃料は平成26年1月1日より起算とします。
2、共益費は平成25年7月1日より起算とします。
・特約事項本契約賃貸借要項に定める賃貸借期間内に乙(借主)の申し入れにより本契約を解除した場合、または乙の責に帰する理由により本契約が解約された場合に、乙は本契約第5条1項に定める賃料の免除期間に免除された賃料および消費税の合計相当額、金○○万○千円也を違約金として甲(貸主)に支払わなければならない。
なお、本規定は本契約書の文中、その他違約金、損害賠償などに関する規定の適用を妨げるものではない。
という内容だとすると、平成25年7月1日から12月31日までの6ヶ月間のフリーレント特約と実質なっていますが、賃料の適用開始を遅らせているという点に注意しなければなりません。
つまりよく理解していないと契約期間内に解約するとフリーレント特約として適用された6ヶ月の賃料および消費税相当額が違約金として発生するということです。
大半の契約書でこういう書き方がされているので、よく理解した上かつオーナーと協議した上で取り決めないとあとでトラブルに発展しますので注意が必要です。
いろいろ厳しい書き方にはなりましたが、要はなんの問題も起こさず1回契約更新さえしてしまえば、フリーレント特約に関する条項がなしになりますので、計画的に利用すれば魅力的なものであることには違いありません。